名付けってやつは

■名前をつけるのはたいへんだ。ゼロから決めるのはほんとに難しい。決まったルールがあればまだましだが、ルール自体が間違っていると後々ひどい目にあったりする(ファイリングが下手)。息子の名前でも、すんなり決まったようで、しかしけっこう考えた記憶がある。いや、わりとすぐに決まったっけ。。
■そんなこんなで、森田さんのお仕事のひとつとして、彼のHPに掲載されることになった。となると、名付けが問題になってくる。不思議なもので、この名付けというやつに考え方が如実に表れるのだから面白い。
■ここに発表されているものは、最初、別の名前で表記されていた。なにか、どこかしら違和感があった。
■そのうち「愛妻家の家」という名前を思いついた。これは…ぼくがどうという意味ではなくて、なんていうんでしょうか、希望?そういう人でありたい?そういう人に今後住んでほしい?みたいな。愛妻家縛りの家っていいとおもうんだけどなー。そこに独身の男が住んでたりしたら。「オレまだ独身なんだけど、家がなぜか『愛妻家の家』っていうんだよ。まったくやになっちゃうよね」とか。ひと口説きもふた口説きもできそうじゃないですか。
■で、森田さんとメールをやりとりしているうちに、「山崎井口邸の改装」ということになった。やっぱり壁も天井も床も風呂場も外壁もなにもかもぜんぶやってもらった/ているわけだから、ここに落ち着いて良かったと思う。無難な名前だけど、真実しかない。自分で「邸」って言い出すのはどうなんだとかあるんですがまぁそのへんは。
■それにしても、本来名前のない住宅建築を名付けるのはほんとにたいへんだ。「Y-HOUSE」とか「どこそこの家」とかなら、属性がはっきりするぶんまだ理解できるが、「変幻自在の家」とかやり出すともう手に負えない。つけられた方も困惑するばかりだろう。青木さんみたいにアルファベットでつけていたとしても(欠けてるのは頓挫したプロジェクトなんだろうか)、文字が尽きたらどうするのかという別の問題/興味もある。意味がないのが狙いなんだろうけど、単純に年代順ってわけでもなさそうだし。
■建築家が自作の名付けの理論を語ってたりすることなんて、あるんだろうか?こっそりと愛人や恋人の名前を付けたりしないんだろうか。知っている人がいたらぜひ教えてください。
■藤村くんはどうやって決めてるんですか?