左官工事はじまる

ikasamaya2005-12-07

■2Fリビングは板張りが終わり、職人さんは夕方でお帰りに。最後にご挨拶できなかったのが残念。玄関のガラスは無事入っていました。
■夕方から、森田さんご自身が左官工事を始める。漆喰の壁になる予定。
■まず、和室風に仕上げるために塗られた「聚楽風」の壁を剥がすために、水をゲル状に固めた「水の塊」を手際よく壁に塗りつけていく。聚楽風の仕上げは、水溶性ののりで固められているため、水分を含ませればのりが溶け、材料が簡単に剥がれてしまうという。結露した壁がもろいのはそのためで、つまりこれは強制的に結露させて無理矢理剥がそうというもの。http://kw.allabout.co.jp/glossary/g_house/w005213.htm
聚楽風仕上げをすべて剥がし、下塗りがはじまる。2Fにいると、ごりごりと壁をこする音がよく聞こえる。途中で作業を少し見せて頂いたが、とにかくめちゃめちゃ手の動きが早い。見知らぬ道具は、見知らぬ動きを生む。
■「自分でできることだけになっちゃうから」最近はほとんど自分で塗ることはしないらしい。それよりも、森田さんなりのオーダーを職人さんに頼む方がいいみたい。左官仕事を熟知している彼じゃないとオーダーできないような壁を、技術的により優れた職人さんに頼む。頼む方も頼まれる方も、両方がプロじゃないと成立しない仕事がある。
■深夜に及ぶ作業の後、ビールを飲みながらいろいろと話す。森田さんは、設計者に設計を依頼することを旅行にたとえていた。苦労を買って出るというか、知らない世界を知ろうとするというか。ただ、旅行は外に出て行くものだが、住宅にまつわる建築は、自分で望んで、内側に招き寄せる苦労でもある。設計者と施主とが深い信頼関係を結ばれいることがどれほど重要であり、もろいものなのか、苦労話を伺う。そのほか仕事のペースについても興味深くきかせてもらう。
■こうやって設計者と飲んだりする時間って最高に贅沢だよなー。などと嘆息。
■それにしても、新築を建築家に頼んだり、建て売りやメーカー住宅を買ったりするのってすごいことだ。ぜんぜんできあがっていないものを、どこの誰だかわからないひとに作ってもらって、それに何千万も払ったりするんだもんな……。それはそれで楽しそうだけど、ぼくにはまだそれだけの覚悟はない。