壁面の漆喰塗りが完成しました

ikasamaya2005-12-11

■職人モリタさんの人智を超えたご尽力により、壁面が仕上がりました。どの面もきわめて美しい。
■「ペンキにも積極的な使い方はある」と森田さんは断言する。抽象的な空間を作ろうと思ったらやっぱりペンキなんだろうな。
■でも今回はギャラリーを作るわけでもない。真っ平らで真っ白なのに、少し離れて見ても、近よって見ても、それぞれに違った表情を感じることができる漆喰塗りのあり方が、自分たちの部屋にとって、いちばんうれしい。
■ところで、漆喰を塗ることができる職人さんは京都で60〜70人程度、東京や大阪では数えるほどしかいないらしい。森田さん自身も清水寺とか金閣寺の壁を塗ってたとかいう話だし。うーむ・・とんでもない人に頼んでしまったものだよこれは。

南北壁面が仕上がる。さらに壁塗りは続く

ikasamaya2005-12-10

■南北壁面の仕上げが終わる。想像をはるかに超えて、非常に美しい。この前に本棚を立てるだなんて、もったいないほど。壁に落ちる本棚の影がきれいだろうなー。
■現場を見た柳沢究さん(神楽岡工作公司・神戸芸工大助手)から照明のアイディアをいただく。そのまま採用したら、バーみたいになりそうで危険。
■東西の壁は、コンクリート壁に直接漆喰を塗っていくことになっていたのだが、くっつきが思いの外悪く、難航している様子。ということで森田さんの瞑想の時間は継続。
■いつか森田さんが巨匠になったときに、「この壁はね…」と言いたい。
■そういえば、埋め直してもらった風呂場。工事以前に比べて排水スピードが格段に遅い。配管はまったくいじってないので、それだけ外にだだ漏れだったのか…と考え恐ろしくなる。

2Fでの生活が復活しました

■床を張り替えた2Fでの生活が始まる。
■板の上にそのまま生活するのもあれなので、柿渋か油を塗って汚れ止めをすることになった。
■結局「荏油(えあぶら)」という油を塗ることになり、オリーブオイルみたいなガラス容器に入った荏油と、柳沢さんがコンフォルトに書いた顔料と油の解説文を手渡される。8日の深夜に一度目、9日の深夜に二度目を夫婦で塗った。松は柔らかいから部屋も暖まって良いのだが、息子がぼこぼこにするんだろうなー。画像は朝の2Fの様子。

壁塗りは続く

ikasamaya2005-12-09

■森田さんの瞑想の時間が過ぎていく。柿渋の発酵した匂いが減っている。漆喰が吸うそうだ。
■深夜、家具の背中に填める板の色などを打ち合わせる。1F=仕事場、2F=リビングという性格の違いがはっきりと出るような色遣いになりそうだ。ていうか何回もうちに来てもらいすぎ。

銭湯に行っている

■近所には、銀閣寺湯、銀水湯、洛東湯という3軒の銭湯がある。
銀閣寺湯はいかにも昔ながらの銭湯をそのままやってますという雰囲気。大正風というか微妙に良い味を残しているのだが、そのぶん敷居が高く保守的に映る(なにが)。
■銀水湯はいちばん近所なのだが、定休日に重なるなど日程が合わず未体験。
■洛東湯はもっともてきとうな雰囲気で、逆に好感度が高い。テレビがつけっぱなしとかドライヤーがただで使えるとか綿棒が使い放題とかとなりにコンビニがあるとか。腕に彫り物のある人を初めて見た。それに、とっくに潰れた近所のお店の広告が出しっぱなしなのはどうなんだ。

壁塗りが始まりました

ikasamaya2005-12-08

■下塗りを終えた北側と南側の大壁から、漆喰を塗る作業が始まる。
■漆喰は、消石灰に海藻やら麻やらを練りこんで混ぜ合わせた材料。城とか蔵とか押入とかに使われるあの白いやつですね。シナベニヤの上に漆喰を塗るという荒技(たぶん)なので、乾きが悪いそうだ。
■森田さんは、瞑想の世界に旅立たれている。塗りの世界は斯様に人を没頭させるのか。。。
http://kw.allabout.co.jp/glossary/g_house/w002393.htm

左官工事はじまる

ikasamaya2005-12-07

■2Fリビングは板張りが終わり、職人さんは夕方でお帰りに。最後にご挨拶できなかったのが残念。玄関のガラスは無事入っていました。
■夕方から、森田さんご自身が左官工事を始める。漆喰の壁になる予定。
■まず、和室風に仕上げるために塗られた「聚楽風」の壁を剥がすために、水をゲル状に固めた「水の塊」を手際よく壁に塗りつけていく。聚楽風の仕上げは、水溶性ののりで固められているため、水分を含ませればのりが溶け、材料が簡単に剥がれてしまうという。結露した壁がもろいのはそのためで、つまりこれは強制的に結露させて無理矢理剥がそうというもの。http://kw.allabout.co.jp/glossary/g_house/w005213.htm
聚楽風仕上げをすべて剥がし、下塗りがはじまる。2Fにいると、ごりごりと壁をこする音がよく聞こえる。途中で作業を少し見せて頂いたが、とにかくめちゃめちゃ手の動きが早い。見知らぬ道具は、見知らぬ動きを生む。
■「自分でできることだけになっちゃうから」最近はほとんど自分で塗ることはしないらしい。それよりも、森田さんなりのオーダーを職人さんに頼む方がいいみたい。左官仕事を熟知している彼じゃないとオーダーできないような壁を、技術的により優れた職人さんに頼む。頼む方も頼まれる方も、両方がプロじゃないと成立しない仕事がある。
■深夜に及ぶ作業の後、ビールを飲みながらいろいろと話す。森田さんは、設計者に設計を依頼することを旅行にたとえていた。苦労を買って出るというか、知らない世界を知ろうとするというか。ただ、旅行は外に出て行くものだが、住宅にまつわる建築は、自分で望んで、内側に招き寄せる苦労でもある。設計者と施主とが深い信頼関係を結ばれいることがどれほど重要であり、もろいものなのか、苦労話を伺う。そのほか仕事のペースについても興味深くきかせてもらう。
■こうやって設計者と飲んだりする時間って最高に贅沢だよなー。などと嘆息。
■それにしても、新築を建築家に頼んだり、建て売りやメーカー住宅を買ったりするのってすごいことだ。ぜんぜんできあがっていないものを、どこの誰だかわからないひとに作ってもらって、それに何千万も払ったりするんだもんな……。それはそれで楽しそうだけど、ぼくにはまだそれだけの覚悟はない。